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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
5.皮膚科医のための臨床トピックス
テルビナフィン耐性白癬菌—日本における耐性菌による皮膚真菌症蔓延への警鐘
Terbinafine-resistant dermatophytes:Warnings against expansion of terbinafine-resistant cutaneous fungal infections in Japan
加倉井 真樹
1,2
,
出光 俊郎
2
Maki KAKURAI
1,2
,
Toshio DEMITSU
2
1加倉井皮膚科クリニック
2自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科
1Kakurai Clinic of Dermatology, Shimotsuma, Japan
2Department of Dermatology, Jichi Medical University Saitama Medical Center, Saitama, Japan
キーワード:
皮膚糸状菌
,
Trichophyton interdigitale
,
Trichophyton rubrum
,
squalene epoxidase
,
最小発育阻止濃度
Keyword:
皮膚糸状菌
,
Trichophyton interdigitale
,
Trichophyton rubrum
,
squalene epoxidase
,
最小発育阻止濃度
pp.142-144
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206359
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テルビナフィン耐性皮膚糸状菌がインドで報告された後,日本にも持ち込まれ,耐性菌による在日インド人の体部白癬がみられるようになった.一方,日本の足白癬や爪白癬からもテルビナフィン耐性菌が検出されている.今後,日本でもテルビナフィン耐性皮膚糸状菌が蔓延する可能性がある.インドでは抗真菌外用薬とステロイド外用薬の混合薬が市販されており,不必要なステロイド外用薬を併用していることが,テルビナフィン耐性菌が誘導された要因として考えられている.テルビナフィン内服薬は白癬菌に対して最小発育阻止濃度も低く,爪白癬や頭部白癬,広範囲体部白癬の第一選択薬の1つとなっているが,今後,テルビナフィン耐性菌による白癬が増加する可能性があり,治療薬を選択する上で注意が必要である.
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