Japanese
English
症例報告
皮下組織の萎縮を伴った先天性巨大色素性母斑
A case of giant congenital melanocytic nevus with atrophy of subcutaneous tissue
安芸 実扶子
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
,
伊藤 康
2
,
池谷 紀代子
2
,
大澤 真木子
2
Mihoko AKI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Yasushi ITO
2
,
Kiyoko IKEYA
2
,
Makiko OSAWA
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学小児科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University
2Department of Pediatrics,Tokyo Women's Medical University
キーワード:
先天性巨大色素性母斑
,
subcutaneous atrophy
,
遺伝的モザイク
Keyword:
先天性巨大色素性母斑
,
subcutaneous atrophy
,
遺伝的モザイク
pp.1001-1004
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100282
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要約
3か月,男児.出生時より右下肢に黒褐色斑があった.2002年11月に小児科に精査のため入院し,同部位の萎縮について当科を紹介された.初診時,右大腿から下腿,足首にかけて黒褐色斑を認め,一部に鱗屑,隆起を伴う局面を形成していた.同部位にほぼ一致して萎縮性陥凹を認めた.大腿中間囲の左右差は4.1cm,下腿中間囲の左右差は1.2cm.下肢の長さには左右差はなく,運動機能は問題ないが,右下肢に深部腱反射の亢進と右足にクローヌスを認めた.CTでは筋肉に左右差はないが,右下肢で皮下組織が乏しい.脳波,脳MRIは正常.右大腿の黒褐色斑の病理組織像では,母斑細胞は真皮上層では集塊をなし,真皮中層~脂肪織内では散在性に認めた.炎症細胞浸潤や脂肪細胞の明らかな変性,萎縮はなかった.1歳4か月時には,病変の範囲,大腿中間囲の左右差は不変であるが,下腿中間囲の左右差は消失していた.
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