Japanese
English
症例報告
ミノサイクリン塩酸塩が奏効したMycobacterium abscessusによる皮膚潰瘍の1例
A case of skin ulcer caused by Mycobacterium abscessus successfully treated with minocycline
浦﨑 智恵
1,2
,
秋田 文
2
,
大久保 倫代
2
Chie URASAKI
1,2
,
Fumi AKITA
2
,
Tomoyo OKUBO
2
1地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院皮膚科
2千葉医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Asahi General Hospital, Asahi, Japan
2Division of Dermatology, National Hospital Organization Chiba Medical Center, Chiba, Japan
キーワード:
皮膚非定型抗酸菌症
,
皮膚潰瘍
,
Mycobacterium abscessus
Keyword:
皮膚非定型抗酸菌症
,
皮膚潰瘍
,
Mycobacterium abscessus
pp.341-345
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206313
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要約 15歳,女性.基礎疾患なし.初診2か月前より右膝外側に紅斑が出現し,徐々に拡大して潰瘍化した.皮膚生検組織を小川培地で培養したところ17日後に白色のコロニーを形成し,DNA-DNAハイブリダイゼーション法でMycobacterium abscessusと同定された.ミノサイクリン塩酸塩(MINO)を内服し,4か月で濃褐色の色素沈着と軽度の硬結を残して瘢痕治癒した.難治性の皮膚潰瘍においては非結核性抗酸菌症の可能性を考慮し,組織の培養検査で菌種の同定が必要である.皮膚Mycobacterium abscessus感染症の標準的な治療法は確立されていないものの,治療が長期に及ぶため,耐性菌の出現を考慮し多剤併用療法が推奨されている.自験例ではMINO単剤内服で比較的短期で治癒したが,耐性菌の出現を考慮すると多剤併用療法が望ましく,使用薬剤の1つとしてMINOは効果があると考えられた.
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