Japanese
English
症例報告
BCG接種の関与が考えられた乳児汎発性環状肉芽腫の1例
A case of generalized granuloma annulare in infancy associated with BCG vaccination
山下 珠代
1
,
松田 吉弘
1
,
赤松 由規
1
,
斉藤 まり
1
Tamayo YAMASHITA
1
,
Yoshihiro MATSUDA
1
,
Yuki AKAMATSU
1
,
Mari SAITOU
1
1三豊総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Mitoyo General Hospital, Kanonji, Japan
キーワード:
環状肉芽腫
,
小児
,
BCG
Keyword:
環状肉芽腫
,
小児
,
BCG
pp.131-135
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206269
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要約 9か月,女児.初診の4か月前にBCG(Bacille Calmette-Guerin)接種,接種2か月後から顔面にはじまり四肢に硬い紅色丘疹が多発した.BCG接種後の副反応等を疑い,下腿の丘疹よりパンチ生検施行.病理組織学的所見では真皮内に膠原線維の変性像とそれを取り囲む柵状に配列した組織球浸潤がみられた.以上のことから,汎発型環状肉芽腫と診断した.その後無治療経過観察により,症状出現から約3か月後に自然消退した.小児の環状肉芽腫は臨床診断が困難なことがあり,自験例は結核疹などのBCG接種後副反応との鑑別を要した.典型的な環状肉芽腫の組織像からBCG接種の関与したGAと診断しえた.BCG接種後副反応の大半はGAと同様経過観察にて自然治癒することが多いが,BCG骨炎(骨髄炎)や全身播種状BCG感染症などは重症化し,積極的加療が必要な場合もあるため,BCG接種後の難治性丘疹をみた際には皮膚生検も含めた適切な診断,加療が重要である.
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