Japanese
English
症例報告
老年期にみられた汎発性Hailey-Hailey病の1例
A case of generalized Hailey-Hailey disease first diagnosed at the old age
千田 聡子
1
,
藤本 典宏
1
,
端本 宇志
1
,
佐藤 貴浩
1
Satoko SENDA
1
,
Norihiro FUJIMOTO
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Takahiro SATOH
1
1防衛医科大学校皮膚科学教室
1Department of Dermatology, National Defense Medical College, Tokorozawa, Japan
キーワード:
Hailey-Hailey病
,
汎発化
,
細菌感染
,
エトレチナート
,
テトラサイクリン
Keyword:
Hailey-Hailey病
,
汎発化
,
細菌感染
,
エトレチナート
,
テトラサイクリン
pp.953-957
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103809
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要約 78歳,男性.約40年前から夏期に増悪する紅斑やびらんを間擦部に繰り返し,妹や娘にも同様の症状があった.某内科医院で外用ステロイド軟膏により加療されていたが,昨年夏より軀幹・四肢に小水疱,膿疱を伴うびらん,紅斑が拡大し来院した.生検組織では表皮内の裂隙形成と表皮細胞の棘融解像を認め,汎発性Hailey-Hailey病と診断した.膿疱内からはメシチリン感受性黄色ブドウ球菌を検出した.抗生剤内服でいったん汎発化が治まったが,ステロイド外用と抗アレルギー剤内服に変更したところ,短期間で再び汎発化した.エトレチナート20mg/日,塩酸ミノサイクリン200mg/日内服とステロイド外用で著明に改善した.自験例では,夏期の皮疹増悪時に入浴および洗浄を控えたが,一方でステロイド軟膏外用は継続したため,細菌感染を生じ,汎発化した.塩酸ミノサイクリン投与で感染が鎮静化し,炎症性サイトカインが抑制され,症状改善したと考えた.
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