Japanese
English
症例報告
血清TARC値が病勢評価に有用であった尋常性乾癬に合併した抗ラミニンγ1類天疱瘡の1例
A case of anti-laminin γ1(p200) pemphigoid with psoriasis vulgaris in which thymus and activation-regulated chemokine(TARC) was an efficient clinical biomarker
川島 秀介
1
,
宮地 秀明
1
,
松岡 悠美
1
,
立石 千晴
2
,
鶴田 大輔
2
,
松江 弘之
1
Shusuke KAWASHIMA
1
,
Hideaki MIYACHI
1
,
Yuumi MATSUOKA
1
,
Chiharu TATEISHI
2
,
Daisuke TSURUTA
2
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
2大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, Japan
2Department of Dermatology, Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka, Japan
キーワード:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
尋常性乾癬
,
TARC
,
メトトレキサート
Keyword:
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
尋常性乾癬
,
TARC
,
メトトレキサート
pp.871-876
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206179
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要約 63歳,男性.53歳時から尋常性乾癬あり.初診1か月前より下肢を中心に緊満性水疱が多発するようになり当科を受診した.血清抗BP180抗体,抗デスモグレイン1および3抗体は陰性,血清TARC値は高値であった.病理組織学的に表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で表皮真皮境界部にC3とIgGの線状沈着があり,蛍光抗体間接法でIgG抗表皮基底膜部抗体を認めた.1M食塩水剝離ヒト皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では真皮側にIgGの線状沈着があり,正常ヒト真皮抽出液を用いた免疫ブロット法にて,患者血清中のIgGは200kDa蛋白質に陽性であった.以上から,抗ラミニンγ1類天疱瘡と診断した.治療はステロイド全身投与とメトトレキサートで行い,現在メトトレキサート単剤で抗ラミニンγ1類天疱瘡と尋常性乾癬の両疾患を寛解維持している.経過中の皮膚症状の増悪と血清TARC値の増減が一致しており,病勢との相関が示唆された.
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