Japanese
English
症例報告
PDE4阻害薬投与中に鼠径部の乾癬局面上に生じ巨大尖圭コンジローマを疑った1例
A suspected case of giant papilloma occurred on an inguinal psoriatic plaque during oral apremilast administration
高宮城 冴子
1
,
宮川 明大
1
,
崎山 とも
1
,
稲積 豊子
1
Saeko TAKAMIYAGI
1
,
Akihiro MIYAGAWA
1
,
Tomo SAKIYAMA
1
,
Toyoko INAZUMI
1
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tachikawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
巨大尖圭コンジローマ
,
verrucous carcinoma
,
Buschke-Löwenstein腫瘍
,
PDE4阻害薬
Keyword:
巨大尖圭コンジローマ
,
verrucous carcinoma
,
Buschke-Löwenstein腫瘍
,
PDE4阻害薬
pp.877-881
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206180
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要約 87歳,女性.尋常性乾癬の診断でステロイド軟膏および活性型ビタミンD3軟膏外用療法中.間擦部の皮疹が難治であったため,初診2年後よりPDE4阻害薬(アプレミラスト:オテズラ®)を投与開始したところ,鼠径部に認めていた紅色局面上の小丘疹が急速に増大し巨大乳頭状腫瘤を呈した.臨床および病理組織所見より巨大尖圭コンジローマ(giant condyloma acuminatum:GCA)を疑った.PDE4阻害薬を中止し,エトレチナート(チガソン®)内服へ変更したところ,巨大腫瘤は著明に縮小し,4か月でほぼ消退した.自験例は,肥満による慢性的な刺激も巨大化の誘因として挙げられるが,PDE4阻害薬の関与も否定できない.PDE4阻害薬とGCA発症の関連は定かではないが,過去に同様の副作用報告もみられることから,PDE阻害薬投与中は陰部肛門部の観察も重要であると考える.
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