Japanese
English
症例報告
陰茎包皮部の難治性潰瘍として再発した右基底核原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1例
A case of diffuse large B-cell lymphoma of the right basal ganglia relapsed as a refractory ulcer of foreskin
日高 太陽
1
,
山口 卓
1
,
吉岡 はるな
1
,
岡田 悦子
1
,
中村 元信
1
Taiyo HITAKA
1
,
Takashi YAMAGUCHI
1
,
Haruna YOSHIOKA
1
,
Etsuko OKADA
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
1産業医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
中枢神経系原発
,
陰茎
,
再発
Keyword:
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
中枢神経系原発
,
陰茎
,
再発
pp.817-823
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206166
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要約 58歳,男性.2017年1月に右基底核原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Ann Arbor分類IE期)と診断され放射線療法で寛解した.同年6月頃から陰茎包皮の硬結,潰瘍を生じ難治であったため,8月に当科を紹介され受診した.包皮に黄色壊死組織が固着した潰瘍があり,周囲に硬結を伴っていた.生検では真皮内に異型の強い大型リンパ芽球様細胞が稠密に浸潤しており,中枢神経原発diffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)の陰茎再発と診断した.進行期であるが,慢性腎臓病のため放射線療法のみを行う方針とし,原体2門照射4MV X線50Gyを照射した.照射後,潰瘍の上皮化および硬結の消失が得られ寛解と判断した.DLBCLはリンパ流を介して全身に発症しうるが,節外病変として尿路系,殊に陰茎の病変は非常に稀である.一方で中枢神経系原発DLBCLの皮膚再発例は報告が少なく,陰茎再発例も自験例が初の報告である.本例は稀な部位の再発病変であり,放射線のみで治療効果が得られた貴重な1例であると考える.
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