Japanese
English
症例報告
好酸球性膿疱性毛包炎との鑑別が困難であった毛包向性菌状息肉症の1例
A case of folliculotropic mycosis fungoides with difficulty to differentiate from eosinophilic pustular folliculitis
鈴木 千尋
1
,
川島 裕平
1
,
木花 いづみ
1
,
森 布衣子
2
,
藤尾 由美
1
Chihiro SUZUKI
1
,
Yuhei KAWASHIMA
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Nuiko MORI
2
,
Yumi FUJIO
1
1平塚市民病院皮膚科
2湘南皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
2Shonan-Hifuka, Hiratsuka, Japan
キーワード:
毛包向性菌状息肉症
,
病理組織学的診断
,
好酸球性膿疱性毛包炎
Keyword:
毛包向性菌状息肉症
,
病理組織学的診断
,
好酸球性膿疱性毛包炎
pp.809-815
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206165
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 67歳,男性.初診時,顔面を含む略全身に比較的強い瘙痒感を伴う多発性紅斑および丘疹を認めた.ステロイド外用を行うも軽快と増悪を繰り返しながら皮疹は拡大した.顔面の皮疹より皮膚生検を施行し,毛包上皮の海綿状態を伴う稠密な好酸球とリンパ球浸潤を認めた.好酸球性膿疱性毛包炎を疑い,インドメタシン内服を開始するも顔面を中心に浸潤を伴う紫紅色結節の出没が続いた.その後も皮膚生検を2回行ったが確定診断に至らず,皮疹の改善がないままに自己中断した.初診から4年後の当科再診時には顔面の結節および脱毛斑が多発した.4回目の皮膚生検にて,毛包周囲にCD4優位な異型リンパ球の浸潤を確認し,サザンブロット法にて単クローン性TCR遺伝子再構成を認め,毛包向性菌状息肉症と診断した.本症の臨床像は一定ではなく,初期の病理組織所見は非典型的なことも多く,診断が困難であることを認識した.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.