Japanese
English
症例報告
ペムブロリズマブ投与後に生じた水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid induced by pembrolizumab
今本 聡美
1
,
澤田 佳織
1
,
鈴木 瑞穂
1
,
常深 祐一郎
2
,
石黒 直子
1
Satomi IMAMOTO
1
,
Kaori SAWADA
1
,
Mizuho SUZUKI
1
,
Yuichiro TSUNEMI
2
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科
2埼玉医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Saitama Medical University, Saitama, Japan
キーワード:
ペムブロリズマブ
,
水疱性類天疱瘡
,
免疫関連有害事象
Keyword:
ペムブロリズマブ
,
水疱性類天疱瘡
,
免疫関連有害事象
pp.583-588
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206113
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要約 74歳,男性.肺腺癌にペムブロリズマブを2回投与後,瘙痒を伴う紅斑と水疱が出現した.初診時,足底に紅斑と水疱があり,汗疱として治療したが,軀幹と四肢に水疱やびらんを伴う径1cm前後の紅斑が拡大した.生検像は表皮下水疱で,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgGとC3が線状に沈着していた.抗BP180NC16a抗体は1,810U/mlと高値であり,水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)と診断した.ペムブロリズマブは5回まで投与したが,皮疹が増悪したため中止した.プレドニゾロン(PSL)0.5mg/kg/日の内服で2か月後には皮疹の新生は止まり,4か月後にはほぼ軽快した.PSLを漸減中,7か月後に自己中止されたが,中止9か月後の現在まで再燃はない.ペムブロリズマブ投与時は免疫関連有害事象としてのBPに注意が必要であるが,ペムブロリズマブによるBPはペムブロリズマブ中止後,ステロイド全身投与などの治療に対する反応性が良い症例が多い.
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