Japanese
English
症例報告
ペムブロリズマブ投与による乾癬様皮疹の1例
A case of psoriasiform eruption after administration of pembrolizumab
播摩 瑶子
1
,
石浦 信子
1,2
,
向川 早紀
1
,
角田 麻衣子
1
,
野々垣 彰
1
,
宇野 優
1
,
工藤 万里
1
,
玉木 毅
1
,
松本 周一郎
3
Yoko HARIMA
1
,
Nobuko ISHIURA
1,2
,
Saki MUKOUGAWA
1
,
Maiko TSUNODA
1
,
Akira NONOGAKI
1
,
Yu UNO
1
,
Mari KUDO
1
,
Takeshi TAMAKI
1
,
Shuichiro MATSUMOTO
3
1国立国際医療研究センター病院皮膚科
2JCHO東京新宿メディカルセンター皮膚科
3国立国際医療研究センター呼吸器内科
1Division of Dermatology, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Community Health Care Organization, Tokyo Shinjuku Medical Center, Tokyo, Japan
3Division of Respiratory Medicine, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
免疫チェクポイント阻害薬
,
キイトルーダ
,
乾癬様皮疹
Keyword:
免疫チェクポイント阻害薬
,
キイトルーダ
,
乾癬様皮疹
pp.589-593
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206115
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要約 79歳,女性.非小細胞肺癌stage Ⅳの治療のためペムブロリズマブが開始され,3クール目投与10日後より四肢体幹に皮疹が出現した.また甲状腺機能低下症も発症した.皮疹に対してstrongest classのステロイド外用,ステロイド・ビタミンD3配合剤外用で経過をみたが増悪し生検した.組織学的に表皮の過角化,錯角化,表皮突起の棍棒状の延長,および真皮浅層にリンパ球を主体とした細胞浸潤がみられたが好中球の浸潤や無菌性膿瘍の所見は乏しかったため乾癬様皮疹と診断した.プレドニゾロン(PSL)1mg/kg/日の内服を開始し皮疹は改善した.甲状腺機能低下症はホルモン補充療法で改善した.免疫チェックポイント阻害薬による皮疹は主に斑状丘疹状皮疹・苔癬様皮膚炎が知られるが,近年,投与症例数の増加に伴い乾癬や乾癬様皮疹の報告もされてきている.また自験例のように乾癬様皮疹と甲状腺炎が併発した例は2019年までに国内で発行された文献の検索では自験例を含め2例のみの報告であり今後の症例の蓄積が必要である.
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