Japanese
English
症例報告
Weeklyパクリタキセル療法と放射線治療で長期生存が得られた血管肉腫の1例
A case of angiosarcoma achieving long-term survival by the combination of weekly paclitaxel administration and radiotherapy
小林 英資
1
,
佐藤 洋平
1
,
水川 良子
1
,
大山 学
1
Eisuke KOBAYASHI
1
,
Yohei SATO
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
血管肉腫
,
化学療法
,
Weeklyパクリタキセル
,
放射線治療
Keyword:
血管肉腫
,
化学療法
,
Weeklyパクリタキセル
,
放射線治療
pp.515-519
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206095
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要約 81歳,男性.左前頭部から側頭部の皮疹を主訴に初診した.受診時,血痂を付し出血を伴う紅斑および境界不明瞭な紫斑を認め,皮膚生検の所見から血管肉腫と診断した.腫瘍径が5cm超かつ境界不明瞭であることから完全切除が困難でありweeklyパクリタキセル療法および放射線併用療法を施行した.治療開始後,病変は著明に縮小し,初診から16か月経過した現在のところ転移・再発を認めていない.本邦で報告された皮膚血管肉腫107例を比較検討したところ,腫瘍径にかかわらず,手術施行群は手術未施行群と比較して生存期間に統計学的有意差はなかった.また,手術の有無にかかわらずパクリタキセルと放射線の併用療法施行症例では腫瘍細胞深達度が皮下組織に至る場合に予後が1年以下となる傾向がみられた.自験例も同様の深達度であったが有害事象や合併症がなくweeklyパクリタキセル療法を定期的に繰り返せたことが良好な経過に寄与したと考えた.
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