Japanese
English
症例報告
IgG4関連疾患の診断基準を満たした木村病の1例
A case of Kimura's disease satisfying the diagnostic criteria for IgG4-related disease
日高 太陽
1,2
,
長谷川 道子
1
,
高橋 舞
3
,
川田 倫之
4
,
田村 敦志
1
Taiyo HITAKA
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Mai TAKAHASHI
3
,
Tomoyuki KAWADA
4
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
3伊勢崎市民病院小児科
4伊勢崎市民病院耳鼻咽喉科
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
3Division of Pediatrics, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
4Division of Otorhinolaryngology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
キーワード:
木村病
,
IgG4関連疾患
,
軟部好酸球肉芽腫
Keyword:
木村病
,
IgG4関連疾患
,
軟部好酸球肉芽腫
pp.509-514
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206093
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要約 14歳,男性.約5か月前に右耳前部の腫脹に気づいた.改善しないため,2か月前に近医を受診し,右耳下腺の腫瘤を指摘され,精査目的に当院耳鼻咽喉科を紹介された.画像および血清学的検査で,右耳下腺の腫大,鼻根部皮下腫瘤,血清IgG4高値を認め,IgG4関連疾患が疑われた.診断確定のため当科で20×15mmの鼻根部皮下腫瘤を生検した.組織像では横紋筋周囲の皮下脂肪織が線維化し,筋層内と周囲の皮下脂肪織に濾胞様構造を伴う炎症細胞浸潤がみられた.浸潤細胞は小円形細胞と好酸球が主体で,免疫染色ではIgG4陽性形質細胞がIgG陽性形質細胞とほぼ同数みられた.IgG4関連疾患の診断基準を満たす木村病と診断し,プレドニゾロン30mg/日を投与し寛解した.皮膚科領域におけるIgG4関連疾患の報告はいまだ少数である.皮膚科医は,木村病が疑われる症例ではIgG4関連疾患の一病型である可能性を十分認識したうえで積極的に診断に関わるべきである.
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