Japanese
English
症例報告
重症度スコアからステロイド全身投与を回避したカルバマゼピンによる薬剤性過敏症症候群の1例
A case of drug-induced hypersensitivity syndrome due to carbamazepine successfully treated without systemic corticosteroids adopting the severity scoring system
伊藤 有亜
1
,
倉田 麻衣子
1
,
小林 英資
1
,
下田 由莉江
1
,
佐藤 洋平
1
,
大山 学
1
,
水川 良子
1
Aria ITO
1
,
Maiko KURATA
1
,
Eisuke KOBAYASHI
1
,
Yurie SHIMODA
1
,
Yohei SATO
1
,
Manabu OHYAMA
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
重症度スコア
,
保存的加療
,
カルバマゼピン
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
重症度スコア
,
保存的加療
,
カルバマゼピン
pp.661-666
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206444
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要約 37歳,女性.統合失調症に対するカルバマゼピン内服開始2か月後から発熱,軀幹四肢の紅斑が出現した.紅斑の拡大と顔面の浮腫のため当科を受診した.カルバマゼピンによる薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DiHS)を疑い,入院としカルバマゼピン内服を中止した.発熱と顔面の浮腫が強いことからステロイドの全身投与を検討したが,統合失調症の悪化が懸念された.2019年にわれわれが提唱したDiHS重症度スコアを用いて治療方針を検討したところ0点と軽症に分類され,安静と補液による保存的加療を選択した.その後,症状は軽快し第37病日に退院した.DiHSでは原因薬剤に向精神薬が多く,精神疾患を有する場合にステロイド使用の適応に苦慮する症例も多い.自験例から,DiHS重症度スコアを活用して治療選択することの有用性が改めて示された.
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