Japanese
English
症例報告
手指の皮膚硬化を伴った好酸球性筋膜炎の1例
A case of eosinophilic fasciitis with sclerotic change of fingers
小林 英資
1
,
佐藤 洋平
1
,
新田 桐子
1
,
大山 学
1
Eisuke KOBAYASHI
1
,
Yohei SATO
1
,
Kiriko NITTA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
好酸球性筋膜炎
,
手指
,
皮膚硬化
,
ステロイド投与量
Keyword:
好酸球性筋膜炎
,
手指
,
皮膚硬化
,
ステロイド投与量
pp.581-585
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206426
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要約 34歳,女性.初診の約1年前より手掌の疼痛と手指の皮膚硬化,下肢の腫脹を自覚した.症状改善なく当院内科を受診し,皮膚の硬化につき当科を紹介され受診した.初診時,両側の前腕から手指と両側下腿に皮膚硬化と腫脹を認めた.下肢MRIで皮下脂肪層と筋層の間に高信号を認めた.組織学的に筋線維間に軽度の好酸球,リンパ球,形質細胞の浸潤を認め,好酸球性筋膜炎と診断した.プレドニゾロン1mg/kg/日投与開始し,手指も含め皮膚硬化は速やかに改善した.好酸球性筋膜炎では手指の硬化は比較的稀である.自験例も含めた本邦報告48例のうち,手指硬化を伴う症例は13例であった.手指硬化のない症例では高用量ステロイド治療開始群と低用量開始群間で予後に差はなかったが,手指硬化のある症例では前群で予後が良い傾向にあった.本症では初診時の手指硬化の有無の確認が治療方針の決定に有用である可能性があると考えられた.
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