Japanese
English
症例報告
放射線療法が奏効した原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫の1例
A case of primary cutaneous anaplastic large cell lymphoma treated with radiation therapy
金子 彰良
1
,
城野 剛充
1
,
水橋 覚
1
,
牧野 公治
1
Akira KANEKO
1
,
Takemitsu JOHNO
1
,
Satoru MIZUHASHI
1
,
Koji MAKINO
1
1国立病院機構熊本医療センター皮膚科
1National Hospital Organization Kumamoto Medical Center, Kumamoto, Japan
キーワード:
原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫
Keyword:
原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫
pp.520-524
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206096
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要約 92歳,男性.右頰部にびらんが出現した後に結節(1.5×1.2cm)を形成し当科を受診した.病理組織ではCD30陽性の異型リンパ球が表皮直下から真皮中層にかけてびまん性に浸潤していた.造影CTでは全身の転移所見は認めず,原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(primary cutaneous anaplastic large cell lymphoma:cALCL)と診断した.再診時に腫瘍径は4cmにまで増大していた.全身麻酔下での手術や化学療法の実施は困難と判断し,放射線療法〔電子線総量40Gy(2Gy×20回)〕を行った.照射終了後に腫瘍は消失し8か月経過時点で腫瘍の再発は認めなかった.cALCLの治療で,放射線療法,手術,その両者併用,化学療法では放射線療法での再発が最も少なかったとの報告があり,手術や化学療法の実施が難しい場合には放射線療法を積極的に検討すべきである.
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