Japanese
English
症例報告
薬剤性過敏症症候群の経過中に皮疹の再燃とウイルスの持続再活性化を認め橋本病を発症した1例
A case of Hashimoto's disease developed in the recovery phase of drug-induced hypersensitivity syndrome with recurrent eruption and persistent reactivation of virus
根本 千絢
1
,
下田 由莉江
1
,
小林 英資
1
,
佐藤 洋平
1
,
大山 学
1
,
水川 良子
1
Chihiro NEMOTO
1
,
Yurie SHIMODA
1
,
Eisuke KOBAYASHI
1
,
Yohei SATO
1
,
Manabu OHYAMA
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
自己免疫性疾患
,
橋本病
,
ウイルス再活性化
,
Epstein-Barrウイルス
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
自己免疫性疾患
,
橋本病
,
ウイルス再活性化
,
Epstein-Barrウイルス
pp.550-556
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207353
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要約 65歳,男性.初診3週間前より腹痛に対しサラゾスルファピリジンを内服後,発熱と皮疹が出現した.近医にて薬疹の診断でステロイドセミパルス療法を施行されるも改善せず,当科に転院した.初診時,四肢に広範囲に紫斑を認め一部では血疱を伴っていた.Human herpesvirus 6(HHV-6)の再活性化を認め薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome : DIHS)と診断した.ステロイド内服で軽快したが,その後も皮疹の再燃とHHV-6・Epstein-Barr virus(EBV)の再活性化がみられた.初診7か月後に抗TPO抗体が陽転化し,その1か月後に橋本病と診断された.ウイルスの再活性化が,皮疹再燃と橋本病発症に関与した可能性を考えた.教室経験例の解析から長期間のウイルスの再活性化,皮疹の再燃を繰り返し認めるDIHSでは,そうでない場合と比べ自己免疫性疾患の発症のリスクを考慮すべきと考えられた.
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