Japanese
English
症例報告
サイトメガロウイルスの再活性化を繰り返した薬剤性過敏症症候群の1例
A case of drug induced hypersensitivity syndrome with repeated re-activation of cytomegalovirus
鈴木 千尋
1
,
川島 裕平
1
,
塩味 由紀
1
,
木花 いづみ
1
,
秋好 由美
1
Chihiro SUZUKI
1
,
Yuhei KAWASHIMA
1
,
Yuki SHIOMI
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Yumi FUJIO-AKIYOSHI
1
1平塚市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
サイトメガロウイルス
,
免疫再構築症候群
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
サイトメガロウイルス
,
免疫再構築症候群
pp.497-503
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206091
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 65歳,男性.症候性てんかんに対し,レベチラセタム内服中であったが,コントロール不良のため3週間前からカルバマゼピンが追加されたところ,顔面を含む全身の皮疹と発熱,リンパ節腫脹および臓器障害が出現し,薬剤性過敏症症候群と診断した.プレドニゾロン1mg/kg/日の内服を開始したところ,皮疹は速やかに改善した.発症後5週目に皮疹の増悪とサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)抗原の陽転化を認めたが,ステロイド外用のみで軽快した.その後も7週目と13週目に皮疹の再燃とCMV再活性化を繰り返したが,いずれもガンシクロビル投与にて改善した.なお,HHV-6IgGも発症時40倍から8週目に160倍へと上昇し,再活性化を伴っていた.DIHSはステロイド減量中,しばしば皮疹の再燃とともにヘルペスウイルス属の再活性化を認めることがあるが,自験例のようにCMV再活性化を3回繰り返した症例は稀で,自験例における反省を踏まえてその治療法についても考察を加えた.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.