Japanese
English
症例報告
サイトメガロウイルスによる消化管出血をきたした薬剤性過敏症症候群の1例
A case of cytomegalovirus-induced gastric bleeding in drug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)
何川 宇啓
1
,
浅野 祐介
1
,
福田 知雄
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Hiroaki KAGAWA
1
,
Yusuke ASANO
1
,
Tomoo FUKUDA
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
アロプリノール
,
薬剤性過敏症症候群
,
DIHS
,
ヒト6型ヘルペスウイルス
,
サイトメガロウイルス
,
消化管潰瘍
Keyword:
アロプリノール
,
薬剤性過敏症症候群
,
DIHS
,
ヒト6型ヘルペスウイルス
,
サイトメガロウイルス
,
消化管潰瘍
pp.278-281
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101915
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要約 81歳,男性.アロプリノール(アロシトール®)内服32日目に発熱と紅斑が出現した.発症26日目に全血からヒト6型ヘルペスウイルスDNAを検出し,薬剤性過敏症症候群と診断した.ステロイドの全身投与をせずに免疫グロブリン製剤のみで加療したが,発症30日目に突然,消化管潰瘍から大量出血を生じ,内視鏡下クリッピング術と輸血を施行した.同時期に生じた皮膚潰瘍の生検組織よりサイトメガロウイルス(CMV)抗原が検出され,CMV抗原血症も認めたため,CMV感染症と考え,ガンシクロビルを投与した.臨床症状と発症時期よりCMV再活性化が予測され,速やかな検査で確認できた.CMVによる胃十二指腸潰瘍はしばしば致命的であり,早期の診断,治療が必須である.
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