Japanese
English
症例報告
マルチビタミン剤の内服後に発症しヘルペスウイルスの再活性化をきたした紅皮症の1例
A case of erythroderma with human herpes virus group reactivation after intake of multivitamin supplement
三井田 博
1
Hiroshi MIIDA
1
1新潟県立新発田病院皮膚科
1Department of Dermatology, Niigata prefectural Shibata Hospital, Niigata, Japan
キーワード:
紅皮症
,
薬剤性過敏症症候群
,
ヘルペスウイルス
,
免疫再構築症候群
Keyword:
紅皮症
,
薬剤性過敏症症候群
,
ヘルペスウイルス
,
免疫再構築症候群
pp.343-348
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103945
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要約 62歳,男性.当科初診前までの4年間,断続的に市販のマルチビタミン剤を服用していた.他に服用薬剤なし.2012年8月,全身の紅斑と肝障害が出現したため,近医を経て9月上旬に当科を紹介された.全身に滲出性で融合傾向の強い紅斑を認め紅皮症の状態であった.下腿には標的状紅斑もみられた.さらに顔面には鱗屑を付着する発赤・腫脹を認めた.ビタミン剤以外に投薬がなく薬疹ではない多形滲出性紅斑と考えた.しかし顔面の所見が薬剤性過敏症症候群に酷似しており,ヒトヘルペスウイルス6の抗体価が1,280倍であり,その後,640~2,560倍の変動を認めた.次いでEpstein-Barrウイルスやサイトメガロウイルス抗体価も高値であった.自験例はマルチビタミン剤による薬疹や薬剤性過敏症症候群とも言えるが,本人の服用歴が不確かで発症当初は既に同剤を中止していた可能性があり,薬疹とするよりも免疫再構築症候群類似の病態として捉えると理解しやすいと思われた.
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