Japanese
English
症例報告
無症候の腹腔内遊離ガスがみられた水疱性類天疱瘡の1例
A case of asymptomatic intra-abdominal free air with bullous pemphigoid
中川 智絵
1
,
大石 泰史
1
,
小林 孝弘
1
,
本間 大
2
,
山本 明美
2
Tomoe NAKAGAWA
1
,
Yasushi OH-ISHI
1
,
Takahiro KOBAYASHI
1
,
Masaru HONMA
2
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
2
1名寄市立総合病院皮膚科
2旭川医科大学皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Nayoro City General Hospital, Nayoro, Japan
2Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
ステロイド内服
,
腹腔内遊離ガス
,
腸管気腫症
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
ステロイド内服
,
腹腔内遊離ガス
,
腸管気腫症
pp.504-508
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206092
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要約 64歳,男性.半年ほど前から,全身の瘙痒感と好酸球増多があり,近医内科でプレドニゾロン(PSL)5mg/日の投与を受けていた.初診の2週間ほど前から全身に拡大する紅斑と,一部に水疱が生じたため当科を受診した.抗BP180抗体が1,000U/ml以上と高値を示し,臨床所見および病理組織検査から,水疱性類天疱瘡と診断した.当科入院後,PSLを30mg/日へ増量し,皮疹の改善を得た.経過中,CRP高値とともに多量の腹腔内遊離ガスがみられた.消化管穿孔を疑ったが,当院外科で腸管囊胞状気腫症に伴う気腹症と診断された.抗菌薬投与による保存的治療を実施し,1か月後には腹腔内ガスは著明に減少した.本症は比較的稀ではあるが,ステロイド長期内服が発症の要因となりうるため,注意が必要である.
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