Japanese
English
今月の症例
ニューモシスチス肺炎およびサイトメガロウイルス肺炎を合併し死亡した薬剤性過敏症症候群の1例
A fatal case of Pneumocystis jiroveci and cytomegalovirus pneumonitis in a patient of drug-induced hypersensitivity syndrome
原田 和俊
1
,
渡辺 一孝
2
,
岡本 崇
1
,
宮島 さゆり
1
,
川村 龍吉
1
,
柴垣 直孝
1
,
久木山 清貴
2
,
島田 眞路
1
Kazutoshi HARADA
1
,
Kazuyoshi WATANABE
2
,
Takashi OKAMOTO
1
,
Sayuri MIYAJIMA
1
,
Tatsuyoshi KAWAMURA
1
,
Naotaka SHIBAGAKI
1
,
Kiyotaka KUGIYAMA
2
,
Shinji SHIMADA
1
1山梨大学医学部皮膚科
2山梨大学医学部循環器・呼吸器内科
1Department of Dermatology,Faculty of Medicine,University of Yamanashi,Chuo,Japan
2Department of Cardiovascular and Pulmonary Science and Medicine,Faculty of Medicine,University of Yamanashi,Chuo,Japan
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
免疫再構築症候群
,
サイトメガロウイルス肺炎
,
日和見感染
,
カルバマゼピン
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
免疫再構築症候群
,
サイトメガロウイルス肺炎
,
日和見感染
,
カルバマゼピン
pp.384-388
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103302
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要約 82歳,男性.カルバマゼピン内服開始後2か月,全身に紅斑が出現し薬剤性過敏症症候群と診断した.プレドニゾロン50mgの内服を開始したところ皮疹は速やかに消退した.高齢であったこと,糖尿病を合併していたこと,肝細胞癌の再発があったことから,プレドニゾロンを1週間に10mgずつ漸減し,5週間で中止した.プレドニゾロン減量中も皮疹の再燃や肝機能障害,腎機能障害などは認められなかった.しかし退院直後に発熱,呼吸困難が出現し,当院内科へ緊急入院となった.サイトメガロウイルス肺炎とニューモシスチス肺炎の合併と診断され,加療を行ったが,呼吸不全で死亡した.本患者は長期間のステロイド投与を躊躇する条件が多く,早めにステロイドの投与量を減量した.しかし,自験例におけるステロイドの急速な減量が,免疫再構築症候群を引き起こし,サイトメガロウイルス肺炎とニューモシスチス肺炎が発症した可能性が考えられた.
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