Japanese
English
症例報告
巨大な異所性石灰沈着を伴った全身性強皮症の1例
A case of cutaneous systemic sclerosis with gigantic calcinosis cutis
中井 一花
1
,
大霜 智子
1
,
長嶺 宏明
2
,
海浪 佳歩
2
,
米田 紘一郎
2
,
岡崎 瑞江
2
,
住友 理映子
1
Ichika NAKAI
1
,
Tomoko OSHIMO
1
,
Hiroaki NAGAMINE
2
,
Kaho ENAMI
2
,
Koichiro YONEDA
2
,
Mizue OKAZAKI
2
,
Rieko SUMITOMO
1
1浅香山病院皮膚科
2浅香山病院内科
1Division of Dermatology, Asakayama Hospital, Sakai, Japan
2Division of Internal Medicine, Asakayama Hospital, Sakai, Japan
キーワード:
全身性強皮症
,
石灰沈着
,
抗セントロメア抗体
Keyword:
全身性強皮症
,
石灰沈着
,
抗セントロメア抗体
pp.491-495
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206090
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 50歳,女性.初診の2,3年前より手指の腫脹が出現.その後,指尖部の潰瘍が出現し,石灰沈着物が付着するようになった.当科初診時,両手指腫脹と硬化,爪郭部毛細血管拡張,指尖部と足趾に潰瘍と石灰沈着,を認めた.血気胸の治療のため入院となり,入院時の画像検査で右大腿骨周囲,腸骨前面に巨大な石灰沈着を認めた.採血で抗セントロメア抗体陽性を認め,全身性強皮症(systemic sclerosis:SSc)の診断基準を満たしたことからSScと診断した.強皮症などの膠原病ではしばしば異所性石灰化が報告されているが,自験例のように巨大な石灰化を認めた症例は稀である.自験例のように石灰化が巨大化した後では,手術侵襲が大きくなる可能性,腫瘍が切除不能となる可能性があるため,歩行障害を残さないためにもできるだけ早期の薬物あるいは外科的な治療を検討することが望ましいと考える.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.