Japanese
English
症例報告
皮膚形質細胞増多症の2例
Two cases of cutaneous plasmacytosis
野村 祐輝
1
,
岡本 祐之
1
Yuki NOMURA
1
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Kansai Medical University, Hirakata, Japan
キーワード:
皮膚形質細胞増多症
,
皮膚形質細胞腫
,
皮膚形質細胞増殖症
Keyword:
皮膚形質細胞増多症
,
皮膚形質細胞腫
,
皮膚形質細胞増殖症
pp.221-226
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205967
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要約 症例1:39歳,女性.5年前から,体幹と上肢に軽度の瘙痒を伴う色素斑が多発.体幹と左前腕屈側に暗褐色斑,赤褐色斑が多発.症例2:49歳,女性.6年前より体幹部に瘙痒を伴い浸潤を触れる褐色斑が多発.8年前より,倦怠感と手関節の朝のこわばりあり.採血でIgG,IgA,IgM高値,リウマトイド因子陽性.いずれの症例もリンパ節など他臓器に転移を疑う所見はなく,色素斑部の皮膚生検では真皮内に形質細胞浸潤がみられ,皮膚形質細胞増多症と診断した.本疾患は,わが国からの報告が多く,医中誌とPubMedでは現在までに71例の日本人の報告例がある.多発性骨髄腫を合併した14例を除いた57例について文献的考察を行った.男女の偏りはなく,血清IgG高値が半数以上にみられた.血清IL-6値は不明が多かったが,高値を示した症例は記載されていた症例の半数以上を占めていた.確立された治療法はなかった.
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