Japanese
English
症例報告
IgA陽性細胞の浸潤を認めた皮膚形質細胞増多症の1例
A case of cutaneous plasmacytosis with IgA positive cell infiltration
工藤 万里
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Mari KUDO
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
形質細胞増多症
Keyword:
形質細胞増多症
pp.631-634
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205167
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要約 68歳,男性.5年前から自覚症状のない紅褐色斑が背部に出現し,1年前には大腿部,胸部にも拡大し当科を受診した.初診時,背部に自覚症状の無い拇指頭大までの紅褐色斑が散在し,四肢・胸部にも数ヶ所同様の皮疹を認め,一部の皮疹では軽度浸潤を触れた.高γグロブリン血症を認めたが,IL-6は正常範囲内であった.病理組織学的には,表皮に著変なく真皮全層の血管周囲性に巣状に稠密な細胞浸潤を認めた.浸潤細胞は異型性のない形質細胞が主体でリンパ球も混在していた.免疫染色ではIgG,IgA,κ鎖,λ鎖陽性細胞が混在し,ポリクローナルな増殖パターンであった.表在リンパ節腫脹,他臓器病変を認めず,皮膚形質細胞増多症と診断した.自験例ではIgA陽性細胞の浸潤を認めており形質細胞増多症においては,形質細胞への分化の促進とそれに伴うさまざまなグロブリンのクラス,サブクラスの多様な上昇が認められうると考えられたため若干の考察を加えて報告する.
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