Japanese
English
症例報告
抗NXP-2抗体陽性成人皮膚筋炎の1例
A case of anti-nuclear matrix protein-2 antibody positive adult dermatomyositis
合田 遥香
1
,
植田 郁子
1
,
楠山 苑子
1
,
尾崎 吉郎
2
,
濱口 儒人
3
,
岡本 祐之
1
Haruka GODA
1
,
Ikuko UEDA
1
,
Sonoko KUSUYAMA
1
,
Yoshio OZAKI
2
,
Yasuhito HAMAGUCHI
3
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学皮膚科
2関西医科大学リウマチ・膠原病科
3金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚分子病態学
1Department of Dermatology, Kansai Medical University, Hirakata, Japan
2Department of Rheumatology and Clinical Immunology, Kansai Medical University, Hirakata, Japan
3Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University, Kanazawa, Japan
キーワード:
抗nuclear matrix protein-2抗体
,
抗NXP-2抗体
,
皮膚筋炎
Keyword:
抗nuclear matrix protein-2抗体
,
抗NXP-2抗体
,
皮膚筋炎
pp.213-219
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205965
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要約 56歳,男性.当科初診の約2週間前より顔面や体幹に紅斑が出現し紹介受診した.顔面および体幹に浸潤を触れる紅斑,手指関節背に角化性の紅斑,両上肢に腫脹がみられた.また筋肉痛,関節痛を自覚していた.臨床症状,皮膚病理組織像,筋原性酵素の上昇,筋生検の所見より皮膚筋炎と診断した.免疫沈降法にて抗nuclear matrix protein-2(NXP-2)抗体が陽性であった.入院にてプレドニゾロン(PSL)40mg/日より治療を開始したが改善に乏しく,PSLを50mg/日に増量し,ミゾリビン150mg/日を追加した.症状は改善し3か月後に退院となった.その後PSL 13mg/日まで漸減したが,皮膚症状と筋症状が再燃し,50mg/日に再度増量し改善した.皮膚症状に対する効果が不十分であったため現在,免疫抑制剤をタクロリムス4mg/日に変更し,PSL 6mg/日で治療中である.これまでに悪性腫瘍や間質性肺炎の合併はない.一般に,抗NXP-2抗体陽性の成人皮膚筋炎患者における悪性腫瘍の合併は,およそ2〜3割程度と稀ではなく,画像検査等で定期的な腫瘍検索の精査をすることが望ましいと考える.
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