Japanese
English
症例報告
足趾潰瘍を契機に診断された本態性血小板血症の1例
A case of essential thrombocythemia associated with the toe ulcer
田口 麻莉
1
,
村上 克彦
1
,
前川 直輝
1
,
國行 秀一
1
,
中尾 隆文
2
Mari TAGUCHI
1
,
Katsuhiko MURAKAMI
1
,
Naoki MAEKAWA
1
,
Shuichi KUNIYUKI
1
,
Takafumi NAKAO
2
1大阪市立総合医療センター皮膚科
2大阪市立総合医療センター血液内科
1Division of Dermatology, Osaka City General Hospital, Osaka, Japan
2Division of Hematology, Osaka City General Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
本態性血小板血症
,
足趾潰瘍
,
JAK2V617F
,
血小板高値
,
ハイドロキシウレア
Keyword:
本態性血小板血症
,
足趾潰瘍
,
JAK2V617F
,
血小板高値
,
ハイドロキシウレア
pp.23-26
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204965
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要約 66歳,男性.約2か月前から左第5趾に発赤,灼熱感が出現し,徐々に潰瘍を形成したため当科を紹介され受診した.初診時,同部位に約8mm大の皮膚潰瘍があり,周辺皮膚は紫紅色調を呈していた.血液検査にて白血球上昇と著明な血小板高値を認めた.骨髄所見およびJAK2 V617F遺伝子変異陽性であったことにより,本態性血小板血症(essential thrombocythemia:ET)と診断した.皮膚潰瘍はETに伴うものと考え,ハイドロキシウレア(HU)とアスピリンの内服を開始したところ,血小板数の正常化に伴い足趾の潰瘍も完全に上皮化した.ETは出血症状や潰瘍など多彩な皮膚症状を合併するほか,頭痛やめまい,胸痛,指先の知覚異常などの症状がみられるが,無症状であることも多く,診断が遅れる場合もある.しかし,重篤な出血症状や血栓塞栓症を合併することがあり,早期診断と高リスク群においては,HUなどによる早期治療が重要である.
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