Japanese
English
症例報告
ゲフィチニブによる紫斑型薬疹の1例
A case of purpuric drug eruption due to gefitinib
竹内 いづみ
1
,
竹内 紗規子
1
,
馬場 裕子
1
,
稲積 豊子
1
Izumi TAKEUCHI
1
,
Sakiko TAKEUCHI
1
,
Yuko BABA
1
,
Toyoko INAZUMI
1
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tachikawa Hospital, Tachikawa, Japan
キーワード:
ゲフィチニブ
,
紫斑型薬疹
,
IgA血管炎
,
腫瘍随伴性血管炎
,
EGFR阻害薬
Keyword:
ゲフィチニブ
,
紫斑型薬疹
,
IgA血管炎
,
腫瘍随伴性血管炎
,
EGFR阻害薬
pp.681-686
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205816
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要約 63歳,女性.上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺癌に対しゲフィチニブ投与開始6か月後,両下腿に約3mm大までの浸潤性紫斑と膿疱が出現した.IgA血管炎,腫瘍随伴性血管炎,薬疹を疑い生検を行ったが,明らかな血管炎や真皮小血管壁へのIgAやC3の沈着は認められなかった.ゲフィチニブの休薬により紫斑が消退,再投与により再燃する経過をとったことからゲフィチニブによる紫斑型薬疹と診断した.EGFR阻害薬による皮膚障害は痤瘡様皮疹や爪周囲炎などがよく知られているが,紫斑型薬疹は比較的稀であり,血管炎との鑑別が重要である.本病型ではゲフィチニブの減量,ステロイド外用などにより継続可能となる症例が多く,ステロイドを内服しても紫斑が新生する場合を除いては,ゲフィチニブの内服継続が望まれる.
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