Japanese
English
今月の症例
ゲフィチニブ(イレッサ(R))による薬疹の1例
A case of drug eruption due to Gefitinib(Iressa(R))
武藤 潤
1
,
鈴木 布衣子
1
,
木花 いづみ
1
,
阿部 健二
2
Jun MUTO
1
,
Nuiko SUZUKI
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Kenji ABE
2
1平塚市民病院
2平塚市民病院内科
1Division of Dermatology,Hiratuka City Hospital
2Division of Internal Medicine,Hiratuka City Hospital
キーワード:
ゲフィチニブ
,
イレッサ(R)
,
薬疹
Keyword:
ゲフィチニブ
,
イレッサ(R)
,
薬疹
pp.1155-1157
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101475
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
73歳,女性.肺癌(扁平上皮癌・StageⅢb)にてゲフィチニブ(イレッサ(R))250mgを内服開始.10日後に下痢と毛囊炎様の皮疹が出現するも一時軽快.その後2か月後から皮疹の増悪とともに膀胱炎症状,肝機能障害を認めたため同剤の内服を中止.悪化時,ほぼ全身の皮膚は乾燥症状を呈し,毛孔一致性の小丘疹や膿疱,びらん,痂皮を混じた暗赤色紅斑が上肢,頸部で多発し融合していた.病理組織学的に角層下膿瘍を伴い,不全角化やexocytosisを認めた.また,真皮では毛囊は萎縮し周囲にリンパ球,好中球の浸潤を認めた.ミノマイシンの内服やトレチノイン軟膏を外用し,皮疹は乾燥症状を残して軽快した.ゲフィチニブのパッチテストおよびDLSTは陰性であった.ゲフィチニブは上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼ阻害剤であり,薬疹の機序としてEGFRへの直接的な関与が考えられた.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.