Japanese
English
症例報告
下腿に多発する皮疹より診断に至ったサルコイド血管炎の1例
A case of sarcoid vasculitis with multiple eruptions on the lower legs
島 香織
1
,
山上 優奈
1
,
一ノ名 晶美
1
,
櫻井 弓子
1
,
古賀 玲子
1
,
石田 祐哉
2
,
吉川 義顕
1
Kaori SHIMA
1
,
Yuna YAMAGAMI
1
,
Masami ICHINONA
1
,
Yumiko SAKURAI
1
,
Reiko KOGA
1
,
Yuya ISHIDA
2
,
Yoshiaki YOSHIKAWA
1
1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院皮膚科
2南森町いしだ皮フ科
1Department of Dermatology, Kitano Hospital, The Tazuke Kofukai Medical Research Institute, Osaka, Japan
2Minamimorimachi Ishida Skin Clinic, Osaka, Japan
キーワード:
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
,
サルコイドーシス
,
血管炎
,
サルコイド血管炎
Keyword:
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
,
サルコイドーシス
,
血管炎
,
サルコイド血管炎
pp.687-692
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205817
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要約 29歳,男性.当科初診の3か月前から両下腿全周性に示指頭大の紅色および褐色の局面が多発した.皮疹は軽度の鱗屑を伴い,わずかに圧痛があった.病理組織学的には真皮浅層から皮下脂肪織にかけて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫があり,真皮内の血管には血栓形成や血管炎の像を認めた.胸部CTで肺門部リンパ節腫脹と両肺の間質肥厚があり,肺の病理組織学的検査でも類上皮細胞肉芽腫を認めた.眼科にて肉芽腫性虹彩毛様体炎と雪玉状硝子体混濁を指摘された.以上の所見および検査データよりサルコイドーシスと診断した.下腿の皮疹は,サルコイドーシスとして非典型的な臨床像であったことに加え,病理組織学的に血管炎の像を伴っていた.サルコイドーシスは多彩な皮疹を呈するため,臨床像のみから診断に至ることが困難な症例があり,皮膚生検の重要性を再認識した.
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