Japanese
English
症例報告
アファチニブによる紫斑型薬疹の1例
A case of purpuric type drug eruption due to afatinib
森下 ナオミ
1
,
中澤 慎介
1
,
藤山 俊晴
1
,
伊藤 泰介
1
,
本田 哲也
1
Naomi MORISHITA
1
,
Shinsuke NAKAZAWA
1
,
Toshiharu FUJIYAMA
1
,
Taisuke ITO
1
,
Tetsuya HONDA
1
1浜松医科大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
キーワード:
上皮成長因子受容体阻害薬
,
epidermal growth factor receptor阻害薬
,
EGFR阻害薬
,
抗EGFR抗体
,
紫斑
,
血管炎
,
膿疱
Keyword:
上皮成長因子受容体阻害薬
,
epidermal growth factor receptor阻害薬
,
EGFR阻害薬
,
抗EGFR抗体
,
紫斑
,
血管炎
,
膿疱
pp.835-839
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207415
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要約 60歳,女性.肺腺癌stage ⅣAに対し上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(epidermal growth factor receptor tyrosine kinase inhibitor : EGFR-TKI)であるアファチニブが開始された.アファチニブは休薬を挟みつつ減量されて継続されていたが,初回投与13か月後,両下肢に膿疱を伴う多発癒合傾向の紫斑が出現した.紫斑は浸潤を触れず組織学的に明らかな血管炎像は認めなかった.アファチニブの中止とクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏外用で皮疹は1週間程度で消失した.随伴症状,臓器障害は認めなかった.これらの所見,経過からアファチニブによる紫斑型薬疹と診断した.EGFR阻害薬(EGFR-TKI,抗EGFR抗体)投与後に紫斑を生じた本邦既報例は自験例を含め18例あり,9例で紫斑に加え膿疱を伴っていた.EGFR阻害薬投与中に紫斑や膿疱が生じた場合,紫斑型薬疹の可能性にも留意する必要があると考えた.
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