Japanese
English
症例報告
DPP-4阻害薬を投薬中に発症した水疱性類天疱瘡の5例
Five cases of bullous pemphigoid developed during dosing of DPP-4 inhibitors
渡辺 翼
1
,
竹村 卓也
2
,
高山 治利
1
,
北川 尚之
1
Tsubasa WATANABE
1
,
Takuya TAKEMURA
2
,
Harutoshi TAKAYAMA
1
,
Naoyuki KITAGAWA
1
1総合病院厚生中央病院総合内科
2総合病院厚生中央病院皮膚科
1Division of Internal Medicine, Kohsei Chuo General Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Kohsei Chuo General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
DPP-4阻害薬
,
水疱性類天疱瘡
,
糖尿病
Keyword:
DPP-4阻害薬
,
水疱性類天疱瘡
,
糖尿病
pp.408-414
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205756
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要約 糖尿病治療薬であるdipeptidyl peptidase(DPP)-4阻害薬を内服中に発症した水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)5例を報告する.当院で発症した最近11年間のBPを検討した結果,DPP-4阻害薬とBPには関連性があることを追認した.最近の論文の多くで,DPP-4阻害薬を使用中に発症したBPには軽症例が多いとされるが,自験例5例のうち3例は軽症とは思えない経過をたどった.これら3例はステロイド内服を漸減すると容易に水疱が再発し,通常型のBPよりむしろ重症な経過をたどった.DPP-4阻害薬は低血糖症状を起こしにくいため,2型糖尿病の主流な治療薬となっているが,副作用としてBPが発症する報告が相次いでいる.特に重症型のBPでは治療に長期間のステロイド内服療法を糖尿病患者に行うことになり,事態は深刻である.DPP-4阻害薬に伴うBPには軽症ではない症例があることを念頭に置く必要がある.
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