Japanese
English
症例報告
ステロイド大量療法が躊躇された水疱性類天疱瘡に対して免疫グロブリン大量静注療法が有効であった1例
A case of bullous pemphigoid with limited application of steroid mass therapy successfully treated with intravenous immunoglobulin therapy
高岡 佑三子
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
藤澤 章弘
1
,
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
Yumiko TAKAOKA
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座(皮膚科学分野)
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
免疫グロブリン大量静注療法
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
免疫グロブリン大量静注療法
pp.41-44
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103513
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要約 90歳,男性.前立腺癌でホルモン療法中に全身掻痒を主訴に受診した.経過中に浮腫性紅斑と緊満性水疱が出現した.病理組織学的に表皮下水疱と好酸球の浸潤を認め,蛍光抗体直接法で皮膚表皮基底膜部にIgG,C3が沈着していた.抗BP180抗体も740index(ELISA)で陽性であったことから,水疱性類天疱瘡と診断した.プロピオン酸クロベタゾール外用およびニコチン酸アミド1,500mg/日と塩酸ドキシサイクリン300mg/日内服を開始したが,その後も水疱は増加した.経口プレドニゾロン20mg/日内服へ変更したが改善しなかったため,免疫グロブリン大量静注(intravenous immunoglobulin:IVIG)療法として乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン400mg/kg/日の投与を連日5日間併用した.IVIG療法1回目開始から39日後に,2回目のIVIG療法を1回目と同様に連日5日間施行した.2回目のIVIG療法投与後7日目の抗BP180抗体は980indexまで減少し良好にコントロールできた.副作用を懸念してステロイド大量療法が躊躇された水疱性類天疱瘡に対して,免疫グロブリン大量静注療法が新たな治療法の1つとなる可能性がある.
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