Japanese
English
症例報告
多彩な皮疹を呈し抗BP 180抗体陽性であった落葉状天疱瘡の1例
A case of pemphigus foliaceus having anti-BP 180 antibodies showed variable eruptions
安達 ルナ
1
,
武市 拓也
1
,
秋山 真志
1
Runa ADACHI
1
,
Takuya TAKEICHI
1
,
Masashi AKIYAMA
1
1名古屋大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
抗デスモグレイン1抗体
,
抗BP 180抗体
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
抗デスモグレイン1抗体
,
抗BP 180抗体
pp.233-238
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205658
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要約 74歳,男性.初診1年前から頭部,顔面に紅斑が出現した.近医を受診し,尋常性乾癬の診断で治療されたが症状の拡がりを認めたため,当科を紹介受診した.初診時,鱗屑,水疱,紅斑,びらん等,全身に多彩な皮疹を認めた.皮膚生検にて,表皮内水疱を認め,水疱内に好中球,棘融解細胞がみられた.直接蛍光抗体法にて表皮細胞間のIgGの沈着と,基底膜部のC3の沈着を認めた.血清中自己抗体検査(CLEIA法)にて,抗デスモグレイン1抗体が3,180U/mlと高値であった.抗BP 180抗体も33.8U/mlと陽性であった.以上の所見より落葉状天疱瘡と診断した.ステロイド単独治療では症状の改善に乏しく,免疫グロブリン大量静注療法の併用により病勢は制御できた.多彩な皮疹を呈している症例は診断が難しく繰り返し精査を行い,診断を確定し適切な治療を開始することが重要である.
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