Japanese
English
症例報告
免疫グロブリン大量静注療法が有効であった水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid successfully treated with intravenous immunoglobulin
宮地 千尋
1
,
門馬 文子
1
,
紺野 隆之
1
,
鈴木 民夫
1
Chihiro MIYAJI
1
,
Fumiko MONMA
1
,
Takayuki KONNO
1
,
Tamio SUZUKI
1
1山形大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Yamagata University, Yamagata, Japan
キーワード:
免疫グロブリン大量静注(IVIg)療法
,
水疱性類天疱瘡
,
非結核性抗酸菌症
Keyword:
免疫グロブリン大量静注(IVIg)療法
,
水疱性類天疱瘡
,
非結核性抗酸菌症
pp.399-404
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103665
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要約 84歳,女性.体幹,四肢に掻痒を伴う難治性の浸潤性紅斑を認め,当科を受診した.蛍光抗体直接法で基底膜部にIgG,C3の沈着,ELISA法で抗BP180抗体が陽性であり水疱性類天疱瘡と診断した.プレドニゾロン(PSL)0.7mg/kg/日,シクロスポリン4.5mg/kg/日の内服で軽快せず,血漿交換療法を2回施行したところ,症状は改善したが非結核性抗酸菌症を併発したため免疫グロブリン大量静注療法(400mg/kg/日5日間)を行い有効であった.その8か月後再燃し,再度免疫グロブリン大量静注療法を施行した.これまでの報告でもあるように,従来の免疫抑制療法で難治の水疱性類天疱瘡症例や,感染症を合併した場合の症例に対して免疫グロブリン大量静注単独療法またはステロイドとの併用療法を行うことは,ステロイドを増量することなく症状を改善させることができる可能性がある点で有効といえる.
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