Japanese
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症例報告
全身性エリテマトーデスと抗ラミニン332型類天疱瘡の経過中に発症したST合剤による多発性固定薬疹の1例
A case of trimethoprim/sulfamethoxazole induced multiple fixed drug eruption coexisted with systemic lupus erythematosus and anti-laminin 332 mucous membranous pemphigoid
小見川 知佳
1
,
端本 宇志
1
,
花房 崇明
1
,
並木 剛
1
,
井川 健
1
,
横関 博雄
1
Chika OMIGAWA
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Takaaki HANAFUSA
1
,
Takeshi NAMIKI
1
,
Ken IGAWA
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo, Japan
キーワード:
多発性固定薬疹
,
ST合剤
,
パッチテスト
Keyword:
多発性固定薬疹
,
ST合剤
,
パッチテスト
pp.123-128
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205634
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要約 31歳,女性.全身性エリテマトーデスと抗ラミニン332型類天疱瘡に対し,プレドニゾロン10mg,タクロリムス5mg,ヒドロキシクロロキン200mgを内服していた.ST合剤の予防内服で肝障害の既往があり,内服を中断していた.2016年5月,ST合剤を内服再開.翌日に口唇の腫脹,口唇・口腔粘膜・陰部のびらんと水疱が出現した.四肢にも小紅斑が出現し,眼球結膜上皮障害も伴っていた.病変部の病理組織像では表皮細胞・粘膜上皮細胞に個細胞壊死,基底膜部の空胞変性があり,真皮浅層にリンパ球が浸潤していた.ST合剤内服の中止とステロイド全身投与により症状は改善した.ST合剤の薬剤リンパ球刺激試験は陰性であったが,皮疹部におけるST合剤のパッチテストが陽性となり,同時に非貼付部にも紅斑が誘発された.以上よりST合剤による多発性固定薬疹と診断した.固定薬疹は多彩なさまざまな臨床形態を示すことを再確認した.
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