Japanese
English
症例報告
ステロイド内服療法が関節拘縮に著効した深在性モルフェアの1例
A case of morphea profunda successfully treated with oral corticosteroid therapy
小見川 知佳
1
,
端本 宇志
1
,
花房 崇明
1
,
野老 翔雲
1
,
並木 剛
1
,
井川 健
1
,
横関 博雄
1
Chika OMIGAWA
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Takaaki HANAFUSA
1
,
Shown TOKORO
1
,
Takeshi NAMIKI
1
,
Ken IGAWA
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo, Japan
キーワード:
深在性モルフェア
,
関節拘縮
,
副腎皮質ステロイド
Keyword:
深在性モルフェア
,
関節拘縮
,
副腎皮質ステロイド
pp.583-587
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205478
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 61歳,男性.初診2年前より左肘関節に熱感,疼痛,腫脹,可動域制限が出現し,その後,両膝関節と左肩関節にも疼痛と可動域制限が出現し増悪した.初診時,左肩関節・肘関節の可動域が制限され,両膝関節の屈曲も困難であった.左肘は深部にびまん性の皮膚硬化を触知し,褐色の色素沈着を呈し,両膝周囲には網目状の暗紫紅色斑があった.深在性モルフェア,好酸球性筋膜炎を疑った.抗Scl-70抗体,抗RNAポリメラーゼⅢ抗体,抗セントロメア抗体は陰性であり,末梢血好酸球数,血清クレアチニンキナーゼ値や血清アルドラーゼ値も正常範囲内であった.左肘の造影MRI検査で左上腕三頭筋内と筋付着部に高信号域があり,同部位の病理組織学的検査では真皮全層で膠原線維が膨化し増生していたが,好酸球浸潤はなかった.以上より深在性モルフェアと診断した.副腎皮質ステロイドの内服で皮膚および関節症状は著明に改善した.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.