Japanese
English
症例報告
コントロール不良の糖尿病患者に生じた黄色ブドウ球菌性蜂窩織炎に続発したIgA血管炎の1例
A case of IgA vasculitis following cellulitis in a patient with severe diabetes mellitus
岩本 雄太郎
1
,
小見川 知佳
1
,
端本 宇志
1
,
花房 崇明
1
,
並木 剛
1
,
井川 健
1
,
横関 博雄
1
Yutaro IWAMOTO
1
,
Chika OMIGAWA
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Takaaki HANAFUSA
1
,
Takeshi NAMIKI
1
,
Ken IGAWA
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo, Japan
キーワード:
IgA血管炎
,
蜂窩織炎
,
黄色ブドウ球菌
Keyword:
IgA血管炎
,
蜂窩織炎
,
黄色ブドウ球菌
pp.499-503
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205776
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要約 48歳,男性.コントロール不良の2型糖尿病を合併していた.当院初診10日前から右腰部に小児頭大の板状硬の発赤が出現した.蜂窩織炎と診断し抗菌薬治療を開始したが,皮膚壊死が進行し,体幹筋が露出する手掌大の深い潰瘍になった.経過中,両下腿に浸潤を触れる数mmから1cm程度の紫斑や血疱が多発し,尿潜血も出現した.皮膚病理組織学的検査で真皮に白血球破砕性血管炎を認め,蛍光抗体直接法では真皮上層の血管壁にIgAの沈着を確認し,IgA血管炎と診断した.症状は,蜂窩織炎の改善とともに軽快し,ジアフェニルスルホン(レクチゾール®)の内服を追加することでさらに改善した.溶連菌性蜂窩織炎に続発するIgA血管炎の報告例は散見されるが,自験例では潰瘍部から黄色ブドウ球菌が検出された.溶連菌だけでなく,黄色ブドウ球菌感染症も,IgA血管炎の原因となる可能性があり,注意が必要と考えた.
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