Japanese
English
症例報告
難治性潰瘍を形成した皮膚Mycobacterium abscessus感染症の1例
A case of cutaneous Mycobacterium abscessus infection with severe ulcer formation
松本 玲子
1,2
,
園部 博子
1
,
瀧 玲子
1
,
本田 えり子
1
,
戸田 憲一
1
,
田中 麗沙
3
,
齊藤 晋
3
,
鈴木 義久
3
Reiko MATSUMOTO
1,2
,
Hiroko SONOBE
1
,
Reiko TAKI
1
,
Eriko HONDA
1
,
Kenichi TODA
1
,
Risa TANAKA
3
,
Susumu SAITO
3
,
Yoshihisa SUZUKI
3
1北野病院皮膚科
2京都大学大学院医学研究科皮膚科学講座
3北野病院形成外科
1Division of Dermatology, Kitano Hospital, Osaka, Japan
2Department of Dermatology, Graduate School of Medicine Kyoto University, Kyoto, Japan
3Division of Plastic Surgery, Kitano Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
Mycobacterium abscessus
,
非結核性抗酸菌
,
難治性潰瘍
Keyword:
Mycobacterium abscessus
,
非結核性抗酸菌
,
難治性潰瘍
pp.1073-1076
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200062
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要約 52歳,男性.左大腿部の圧痛を伴う約5cmの強い浸潤を触れる紅斑を主訴に受診した.蜂窩織炎と診断し塩酸セフカペン・ピボキシルを処方したが自己中断した.1か月後の再診時には紅斑は11×8cmに拡大し,CRPは1.7mg/dlと軽度上昇していた.波動部位の穿刺にて橙色半透明の内溶液が吸引され,培養にてMycobacterium abscessusが検出された.紅斑の中央部は自壊しポケットを有する潰瘍を形成した.レボフロキサシン400mg/日およびクラリスロマイシン500mg/日の内服,病変部全摘術の併用にて治療した.切除標本の病理組織学的検査では,多核巨細胞を伴う類上皮細胞肉芽腫を認めた.抗菌剤は術後2か月まで,計4か月間投与した.術後1年経過するが再発を認めていない.感染源は自宅温泉水である可能性が示唆された.水を介した皮膚感染症にはM. abscessus感染症も鑑別に挙げる必要がある.
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