Japanese
English
症例報告
モルフェアを合併した全身性強皮症の1例
A case of systemic scleroderma with morphea
渡辺 彩乃
1
,
森 志朋
1
,
赤坂 俊英
1
,
佐々木 豪
2
Ayano WATANABE
1
,
Shiho MORI
1
,
Toshihide AKASAKA
1
,
Gou SASAKI
2
1岩手医科大学皮膚科学教室
2佐々木皮膚科医院
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
2Sasaki Dermatology Clinic, Morioka, Japan
キーワード:
全身性強皮症
,
モルフェア
,
generalized morphea-like systemic sclerosis
Keyword:
全身性強皮症
,
モルフェア
,
generalized morphea-like systemic sclerosis
pp.145-149
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103539
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要約 55歳,女性.初診の1年前より左乳房に表面に光沢を有する茶褐色皮疹と頭部の脱毛局面が出現した.その後,両手指の浮腫,Raynaud症状に加えて手首のこわばりを自覚した.両手指に限局した浮腫と軽度の硬化および爪上皮の延長,点状出血を伴う臨床像と右前腕部の病理組織像より,limited typeの全身性強皮症と診断した.自己抗体も含め,検査値に異常はなかった.左乳房部,頭部の皮膚硬化局面の病理組織像では,真皮全層に膠原線維の増生,膨化を認め,結節状を呈していた.内臓合併症を伴い予後が不良といわれているgeneralized morphea-like systemic sclerosisとの鑑別を要したが,臨床症状および病理組織所見よりモルフェアを合併した全身性強皮症と診断した.モルフェアの患者を診察した際には,全身性強皮症を伴う可能性のあることを念頭に置き経過を見ていく必要があると考えた.
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