Japanese
English
症例報告
Microsporum canisによる小児の頭部顔面白癬の1例
A pediatric case of tinea capitis et faciei caused by Microsporum canis
小熊 玲奈
1
,
岩澤 真理
1
,
宮地 秀明
1
,
若林 正一郎
1
,
神戸 直智
2
,
矢口 貴志
3
,
西村 和子
3
,
松江 弘之
1,3
Rena OGUMA
1
,
Mari IWASAWA
1
,
Hideaki MIYACHI
1
,
Seiichiro WAKABAYASHI
1
,
Naotomo KAMBE
2
,
Takashi YAGUCHI
3
,
Kazuko NISHIMURA
3
,
Hiroyuki MATSUE
1,3
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
2関西医科大学皮膚科学講座
3千葉大学真菌医学研究センター
1Department of Dermatology, Chiba University, Chiba, Japan
2Department of Dermatology, Kansai Medical University, Hirakata, Japan
3Medical Mycology Research Center, Chiba University, Chiba, Japan
キーワード:
頭部顔面白癬
,
Microsporum canis
,
小児
,
ネコ
,
イトラコナゾール
Keyword:
頭部顔面白癬
,
Microsporum canis
,
小児
,
ネコ
,
イトラコナゾール
pp.537-542
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205464
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要約 3歳,男児.初診の3か月前より捨て猫を飼育していた.初診の2か月前より左顔面と左側頭部に小紅斑が多発した.前医でステロイド,抗菌薬,抗ウイルス薬による治療を受けたが増悪したため,当科を紹介され受診した.初診時,小紅斑は膿疱・痂皮を伴い,膿疱内容物の直接鏡検で糸状の菌要素を認めた.患児の膿疱内容物およびネコの毛の真菌培養から,白色羊毛状のコロニーが分離され,菌学的所見およびリボゾームRNA遺伝子internal transcribed spacer領域の塩基配列からMicrosporum canisと同定した.ルリコナゾール外用のみでは改善しなかったため,イトラコナゾール5mg/kg/日内服とし,9週間で治癒した.経過中,LDH値上昇の副作用がみられた.M. canisによる小児の頭部顔面白癬は,血液検査を行いながら,抗真菌薬内服療法を選択すべきと考えられた.
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