Japanese
English
症例報告
診断に苦慮したMicrosporum canisによる体部・頭部白癬の1例
A case of tinea corporis and capitis caused by Microsporum canis having difficulty in diagnosis
小林 博人
1
,
望月 隆
2
Hiroto KOBAYASHI
1
,
Takashi MOCHIZUKI
2
1皮膚科小林医院
2金沢医科大学医学部皮膚科学講座
1Kobayashi Dermatological Clinic, Kanazawa, Japan
2Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Uchinada, Japan
キーワード:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
頭部白癬
,
ステロイド剤
,
ネコ
Keyword:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
頭部白癬
,
ステロイド剤
,
ネコ
pp.79-83
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103521
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要約 63歳,女性.5年前より関節リウマチでプレドニゾロン(5mg/日)を服用中である.初診の2年前から体幹に皮疹が出没しステロイド剤を外用していた.初診1週間前に皮疹の新生があり受診した.腹部,背部に湿疹様病変を認め,また本人は気付かないものの後頭部に落屑性紅斑が認められた.体幹,頭部の鱗屑はKOH直接鏡検法陽性,真菌培養でMicrosporum canisが分離された.8週間抗真菌剤の内服を行い,治癒と判定した.その8か月後に顔面,頸部,頭部に落屑性紅斑が出現した.後頭部のKOH法で毛髪への小胞子菌性寄生を認め,再度M. canisが分離された.14週間抗真菌剤の内服を行い治癒とした.この症例は初診時皮疹の性状が白癬の定型例ではなく,また治癒判定にも疑問が残り,診断に苦慮した例といえる.
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