特集 小児の皮膚病・炎症性
臨床例
Microsporum canisによる頭部白癬の小児例
高瀬 孝子
1
1高瀬皮膚科医院
キーワード:
顕微鏡検査法
,
皮膚炎-脂漏性
,
鑑別診断
,
人畜共通感染症
,
経口投与
,
ネコ
,
白癬-頭部
,
Itraconazole
,
真菌培養
,
Microsporum canis
,
家族内感染
Keyword:
Administration, Oral
,
Cats
,
Diagnosis, Differential
,
Microscopy
,
Dermatitis, Seborrheic
,
Tinea Capitis
,
Zoonoses
,
Itraconazole
pp.903-906
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015024173
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<症例のポイント>・患者は4歳男児、難治性の頭部白癬として他院から紹介され受診した。感染源は、週1回泊まりに行く実家の猫であることに気づかなかったため、難治であったものと思われた。・当院受診時、父・母・妹(1歳半)にも体部白癬があり、患児も内服治療中にもかかわらず、直接鏡検にて頭部の鱗屑に菌糸多数。培養陽性。実家の猫を受診させたところ左耳介に脱毛斑があり、直接鏡検にて菌陽性であった。・猫にも内服治療を行い、3週間ほど、実家に帰るのを控えさせたところ、家族内感染も終息した。患児の頭部白癬の治療はイトリゾール50mg/日を内服させ約8週で治癒した。なお、頭部の外用は中止させた。・Microsporum canis(M.canis)感染症では、「どこに感染源があるか」を確かめ、感染源の動物も治療することが大切である。診断には、直接鏡検だけではなく菌種の同定も重要である。
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