Japanese
English
症例報告
Microsporum canisによる白癬性毛瘡の1例
A case of tinea barbae due to Microsporum canis
福島 彩乃
1
,
藤尾 由美
1
,
木花 いづみ
1
,
佐藤 友隆
2
,
矢口 貴志
3
Ayano FUKUSHIMA
1
,
Yumi FUJIO
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Tomotaka SATO
2
,
Takashi YAGUCHI
3
1平塚市民病院皮膚科
2北里大学北里研究所病院皮膚科
3千葉大学真菌医学研究センター
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
2Division of Dermatology, Kitasato University Kitasato lnstitute Hospital, Tokyo, Japan
3Medical Mycology Research Center, Chiba University, Chiba, Japan
キーワード:
白癬性毛瘡
,
白癬菌性毛瘡
,
Microsporum canis
,
ネコ
,
タクロリムス軟膏
Keyword:
白癬性毛瘡
,
白癬菌性毛瘡
,
Microsporum canis
,
ネコ
,
タクロリムス軟膏
pp.1089-1093
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204953
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要約 43歳,男性.アトピー性皮膚炎で顔にタクロリムス軟膏を外用していた.猫を3匹飼育中.1か月前より右下顎部に膿疱,滲出性痂皮,脱毛を伴う紅色局面が出現した.須毛の直接鏡検で真菌要素を認め,真菌学的検査でMicrosporum canisを同定し,ネコからの感染を疑った.皮疹はテルビナフィンの内服で軽快した.白癬性毛瘡は浅在性白癬からの移行例が多いが,動物からの感染例も報告されており感染経路に注意が必要である.またステロイド外用剤の誤用が誘因となるとされるが,自験例ではタクロリムス軟膏による局所免疫低下が誘因になった可能性が考えられた.1909年からの過去の本症の報告200例のうち,M. canisによる症例は自験例が3例目と非常に稀と思われた.須毛部の脱毛局面では本症を疑い,感染原同定のため積極的に真菌培養を行うことが重要である.
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