Japanese
English
症例報告
生物学的製剤を含む免疫抑制療法中の関節リウマチ患者に発症したツツガムシ病の1例
A case of Tsutsugamushi disease in a patient with rheumatoid arthritis during immunosuppressive therapy including biologics
山田 陽三
1
,
葉 乃彰
2
,
高田 伸弘
3
,
夏秋 優
4
Yozo YAMADA
1
,
Noriaki YOU
2
,
Nobuhiro TAKADA
3
,
Masaru NATSUAKI
4
1加古川中央市民病院皮膚科
2加古川中央市民病院リウマチ・膠原病内科
3福井大学医学部
4兵庫医科大学皮膚科
1Division of Dermatology, Kakogawa Central City Hospital, Hyogo, Japan
2Division of Clinical Immunology, Kakogawa Central City Hospital, Hyogo, Japan
3Faculty of Medical Sciences, University of Fukui, Fukui, Japan
4Department of Dermatology, Hyogo College of Medicine, Hyogo, Japan
キーワード:
ツツガムシ病
,
抗体価
,
PCR法
,
生物学的製剤
,
関節リウマチ
Keyword:
ツツガムシ病
,
抗体価
,
PCR法
,
生物学的製剤
,
関節リウマチ
pp.543-547
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205465
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要約 67歳,女性.関節リウマチにてプレドニゾロン,メソトレキサート,インフリキシマブにて加療中.畑で農作業をした5日後より発熱,全身倦怠感,軽度の意識混濁,皮疹を生じたため,当院内科に入院となり,翌日当科を紹介受診した.初診時,左下腿に痂皮を伴う鶏卵大の紫紅色斑と,四肢,体幹に紅斑,丘疹が散在してみられ,ツツガムシ病と判断してミノサイクリン塩酸塩200mg/日を約3週間投与し略治した.血清学的検査,および刺し口の痂皮組織を用いたpolymerase chain reaction法よりOrientia tsutsugamushi Kuroki型によるツツガムシ病と確定診断した.自験例では刺し口の紅斑が大きく,回復期の特異抗体価の上昇がやや鈍い傾向にあったことは関節リウマチに対する免疫抑制療法が影響しているのではないかと推測した.また,ツツガムシ病には少なくとも6つの血清型が知られており,標準3型のみを用いた血清検査では正確な診断が困難と思われる.
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