Japanese
English
症例報告
ネコから感染したMicrosporum canisによる体部白癬の母子例
Two cases of tinea corporis caused by Microsporum canis from a cat
角谷 廣幸
1
,
角谷 孝子
1
,
望月 隆
2
Hiroyuki KAKUTANI
1
,
Takako KAKUTANI
1
,
Takashi MOCHIZUKI
2
1あいおい皮膚科クリニック
2金沢医科大学環境皮膚科学部門
1Aioi Dermatological Clinic, Sakata, Japan
2Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Kanazawa, Japan
キーワード:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
ネコ
,
DNA診断
,
PCR-RFLP法
Keyword:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
ネコ
,
DNA診断
,
PCR-RFLP法
pp.182-185
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101598
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 ネコを飼い始めてから,6歳女児の右胸部と35歳母親の右腋窩に落屑性紅斑が1個ずつ生じた.母親の皮疹のみ軽度の痒みを伴った.母子の落屑のKOH法では,それぞれ菌要素が多数密集してみられた.ネコでは全身に落屑を伴う脱毛斑が多発して,その脱毛斑辺縁の体毛より白癬菌が分離された.母子,ネコから分離された菌は3例とも形態学的所見とPCR-RFLP法の所見と合わせてMicrosporum canisと同定した.母子ともにネコから感染したと考えた.M. canis感染による白癬は近年減少傾向にあるといわれているが,顕著な減少傾向はみられないという地域もあり,また多彩な臨床症状を呈するので,日常診療において,なお注意が必要である.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.