Japanese
English
症例報告
Microsporum canisによる小児頭部白癬の1例―小児頭部白癬内服治療の文献的考察
Childhood tinea capitis due to Microsporum canis:A case report and a review of literature of oral treatment
福田 俊平
1
,
十亀 良介
1
,
松田 光弘
1
,
名嘉眞 武国
1
,
安元 慎一郎
1
,
橋本 隆
1
,
楠原 正洋
2
Shunpei FUKUDA
1
,
Ryosuke SOGAME
1
,
Mitsuhiro MATSUDA
1
,
Takekuni NAKAMA
1
,
Shinichiro YASUMOTO
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Masahiro KUSUHARA
2
1久留米大学医学部皮膚科学教室
2楠原皮膚科医院
1Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
2Kusuhara Dermatology Clinic,Fukuoka,Japan
キーワード:
頭部白癬
,
小児
,
Microsporum canis
,
イトラコナゾール
,
内服投与量
Keyword:
頭部白癬
,
小児
,
Microsporum canis
,
イトラコナゾール
,
内服投与量
pp.1060-1064
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102773
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要約 6歳,男児.祖母宅で脱毛のあるネコとの接触歴あり.4か月前に右側頭部を打撲し,同部位に脱毛を伴う鱗屑性紅斑が出現した.その後,左前頭部にも紅斑を伴う脱毛斑が出現した.KOH直接鏡検で毛外性小胞子性に寄生する真菌要素を認め,培養によりMicrosporum canisを分離同定し,同菌による頭部白癬と診断した.イトラコナゾールの内服治療を10週間行い治癒した.小児頭部白癬における抗真菌薬内服の投与量や投与期間など本邦では明確な指針がなく,判断が難しい場合もある.本邦における小児頭部白癬のイトラコナゾールないしテルビナフィン内服治療報告例をわれわれが検討したところ,海外のガイドラインよりも低用量で効果が得られ,かつ安全に使用できるものと思われた.投与量としてはテルビナフィンが3.5~4.5mg/kg/日,イトラコナゾールが2.5~4.0mg/kg/日で8週間前後の投与が目安になると考えられた.
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