Japanese
English
症例報告
口腔アレルギー症候群が疑われた牛肉による遅発型アナフィラキシーの1例
A case of beef-induced delayed anaphylaxis initially suspected as oral allergic syndrome
佐々木 良子
1
,
渡邉 章
1
,
堀川 永子
1
,
根本 利恵子
1
,
天野 正宏
1
,
千貫 祐子
2
Ryoko SASAKI
1
,
Akira WATANABE
1
,
Nagako HORIKAWA
1
,
Rieko NEMOTO
1
,
Masahiro AMANO
1
,
Yuko CHINUKI
2
1宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
2島根大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Miyazaki, Miyazaki, Japan
2Department of Dermatology, Shimane University Faculty of Medicine, Izumo, Japan
キーワード:
牛肉アレルギー
,
口腔内アレルギー症候群
,
遅発型アナフィラキシー
,
galactose-α-1
,
3-galactose
Keyword:
牛肉アレルギー
,
口腔内アレルギー症候群
,
遅発型アナフィラキシー
,
galactose-α-1
,
3-galactose
pp.1047-1051
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205265
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要約 65歳,男性.以前からメロン,モモ,キウイ,バナナなどの果物を食べると口腔内違和感や軀幹の蕁麻疹が出現していた.某日13時頃,焼肉屋で牛肉,焼肉のタレ,生野菜,ビール,白飯を摂取した.同日16時頃,腹部に蕁麻疹が出現した.さらに17時頃に呼吸困難感,意識消失発作を起こし近医へ救急搬送された.当初は焼肉のタレに含まれた果物成分による口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)を疑った.しかし抗原特異的IgE検査では牛肉がクラス3,豚肉がクラス2と陽性であり,プリックテストで牛肉,豚肉が陽性を示した.ウエスタンブロット法により,患者血清中にセツキシマブに含まれるgalactose-α-1, 3-galactose(α-gal)糖鎖エピトープを認識すると思われるIgE抗体を検出し,遅発型牛肉アナフィラキシーと診断した.牛肉アレルギーは遅発型アナフィラキシーであること,牛肉や豚肉以外にも注意すべき食物や薬があることを患者にしっかりと指導することが重要である.
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