Japanese
English
症例
Isaacs症候群患者に発症した皮膚ノカルジア症
Cutaneous Nocardiosis Associated with Isaacs’ Syndrome
佐々木 良子
1
,
持田 耕介
1
,
古結 英樹
1
,
渡邉 章
1
,
天野 正宏
1
,
小松 弘幸
2
,
塩見 一剛
3
,
五ノ井 透
4
Ryoko SASAKI
1
,
Kosuke MOCHIDA
1
,
Hideki KOKETSU
1
,
Akira WATANABE
1
,
Masahiro AMANO
1
,
Hiroyuki KOMASTU
2
,
Kazutaka SHIOMI
3
,
Tohru GONOI
4
1宮崎大学医学部感覚運動医学講座,皮膚科学分野(主任:天野正宏教授)
2同,医療人育成支援センター
3同,神経呼吸内分泌代謝分野
4千葉大学,真菌医学研究センター
キーワード:
皮膚ノカルジア症
,
Isaacs症候群
Keyword:
皮膚ノカルジア症
,
Isaacs症候群
pp.1138-1141
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000835
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75歳,男性。Isaacs症候群,赤芽球癆,微少変化型ネフローゼ症候群に対しプレドニゾロン8mg/日とシクロスポリン125mg/日を内服中であった。3カ月前に外傷を受けた右上背部に,ドーム状に隆起した手拳大の囊腫様結節を認めた。切開時の黄白色の膿汁の塗抹標本で,分岐した糸状発育を示すグラム陽性桿菌を認め,培養からノカルジアが検出された。血液寒天培地で白色のコロニーを形成し,16S rRNA遺伝子解析でNocardia araoensisと推定された。内臓病変は認めず,限局型皮膚ノカルジア症と診断した。ST合剤の内服および追加切開排膿を行い,約5カ月で瘢痕治癒した。皮膚ノカルジア症は比較的まれだが,免疫不全宿主では念頭に置くべき感染症である。
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