Japanese
English
症例報告
背部に多発潰瘍を生じた深在性エリテマトーデスの1例
A case of lupus erythematosus profundus with multiple ulcers on the back
林 政雄
1
,
牧野 輝彦
1
,
杉田 友里
1
,
三澤 恵
1
,
清水 忠道
1
Masao HAYASHI
1
,
Teruhiko MAKINO
1
,
Yuri SUGITA
1
,
Megumi MIZAWA
1
,
Tadamichi SHIMIZU
1
1富山大学大学院医学薬学研究部皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, University of Toyama, Toyama, Japan
キーワード:
深在性エリテマトーデス
,
背部多発潰瘍
,
アスピリン
Keyword:
深在性エリテマトーデス
,
背部多発潰瘍
,
アスピリン
pp.1041-1045
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205264
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要約 35歳,女性.約6年前に全身性エリテマトーデスと診断され,プレドニゾロン(PSL)内服で加療されていた.約2か月前より背部に発赤を伴う皮下硬結が散在性に出現,その後潰瘍を形成したため当科入院となった.背部の潰瘍を伴う紅斑から皮膚生検を施行した.病理組織学的に軽度の液状変性とリンパ球主体の脂肪織炎を認め,深在性エリテマトーデスと診断した.血管炎や血栓症はみられなかった.血液検査では凝固系の異常なく,抗リン脂質抗体症候群も否定的であった.PSLの増量やシクロスポリン内服などを行ったが潰瘍の上皮化が進まないため,アスピリンを投与した.その後潰瘍は速やかに上皮化した.病理組織学的に血栓は検出されなかったが,より深部での血栓や循環不全が潰瘍の原因であった可能性が推察された.
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